何でも良かった18年間

2/2
24人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
「平原はどこ目指してんだっけ」 体育大学を目指している竹村がスープを飲み干して尋ねてきた。 「うーん、まだ決めてない」 「んだよ、早く決めねえと、的が絞れねえだろ」 「平原の頭があればどこでも大丈夫だって」 そう口を挟んだのは、自分だって頭のいい菅野(キャプテン)。温厚な彼は教師を目指しているらしい。 進路ねえ。 何でもいいけどなあ。 教える仕事でも、誰かをサポートする仕事でも、医療関係でも、動物と触れ合うのでも、服飾系でも、開発系でも、工事系でも、食い物系でも。 取り敢えず何でも、ソツなくこなせるって自信はある。 問題は、『特にやりたいことがない』ということだ。 そしてもっと問題なのは、『それでいいや』と思っている自分がいることだった。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!