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「平原はどこ目指してんだっけ」
体育大学を目指している竹村がスープを飲み干して尋ねてきた。
「うーん、まだ決めてない」
「んだよ、早く決めねえと、的が絞れねえだろ」
「平原の頭があればどこでも大丈夫だって」
そう口を挟んだのは、自分だって頭のいい菅野。温厚な彼は教師を目指しているらしい。
進路ねえ。
何でもいいけどなあ。
教える仕事でも、誰かをサポートする仕事でも、医療関係でも、動物と触れ合うのでも、服飾系でも、開発系でも、工事系でも、食い物系でも。
取り敢えず何でも、ソツなくこなせるって自信はある。
問題は、『特にやりたいことがない』ということだ。
そしてもっと問題なのは、『それでいいや』と思っている自分がいることだった。
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