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フードファイター、会場に向かう
7日後の朝、目を覚ましてリビングに降りると、そこにはすでに大勢の来客があった。
真ん中にいるのは、総理大臣。
「さあ、行きましょう」
「はあ……」
彼はそういうと、ぼくの家から出て行った。ぼくは、身支度を整え、その後に続く。目の前の車のドアが開く。
総理大臣が、ゆっくりと乗りこんでいく。
「さあ、どうぞ」
そう声をかけられ、ぼくはその隣に座る。その声をかけてきた男が、さらにぼくの隣に座る。
この人は、官房長官?
総理大臣と官房長官に挟まれ、車がゆっくりと動き出した。
一体どこへ向かうのだろう。
ぼくが行き着いた先は、国会議事堂だった。
「どうしてこんなところに」
ぼくの質問に答えるものはおらず、集団は足を止めることなく進んでいく。
やがて本会議場の扉を前にして、官房長官が足を止めた。そして、ゆっくりとぼくのほうを振り向いた。
「信じています」
総理大臣がぼくにそう言葉をかけた。その言葉を合図に、扉が開かれた。
扉の向こうには、まるで違った世界が広がっていた。
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