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最後、最後。
ぼくが目覚めたのは、それから1週間後のことだった。
ビストリアンたちは、母星までの地図を置いて、ぜひいらしてほしい、そう言って、地球を後にしたそうだ。
研究者たちは、早速、その地図の解明作業を始めた。
そして同時に、世界の名高い料理人や美食家たちがそろって、ビストリアンの味を再現するために腕を振るった。
「おめでとう」
試合後の出勤初日、経理の良子さんから花束が贈られた。
「ありがとうございます」
「本当に、すごかった」
良子さんが、ぼくを見つめている。
「今度、ごはん一緒に行きませんか?」
良子さんはそういってぼくに微笑みかけると、その場を後にした。
ぼくもゆっくりと自分の席へと向かう。
パソコンを立ち上げ、ネットニュースを見る。
ビストリアンの来襲以来、各国は足並みをそろえて、彼らに関する様々な分野の研究に打ち込んでいるそうだ。
これで、世界は少しでもよい方向に進むだろうと記事は伝えていた。
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