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過酷な台詞
明転
揺籠に 溢れ返る静寂
それは蓋の取り払われた棺
花を束ねたリボンをほどく
真白い 凍った涙の雨が降る
饒舌な過去
受動的な未来
綻び落ちる 半券の数々
灰は革靴の型を取り
逡巡などと表題をつける
次の舞台に見入らなくては
夜の目も寝ずに
夢に夢見て
出てきたベッドを思い出すまで
真白い 凍った時の雨上がり
花を集めて滴りをむすぶ
閉ざされた棺
それは砂の海に漕ぎ出す揺籠
暗転
「また明日」
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