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「バカなこと言うな!」
思わず怒鳴ってしまった。
「お前が死んだら、俺はどうすればいいんだよ……」
「別に……私が死んでも、あんたには関係ないでしょ?」
「関係なくねえよ! お前が死んだら、それは俺のせいになるんだよ!」
芙由香が目を大きく見開いた。
「……ええっ? どういうこと?」
……またやらかしちまった。まずい。それをこいつに説明してしまったら、俺は……守秘義務違反になっちまう。
だけど……これはもう、言わなきゃ収まらない。かまうもんか。
「……俺が郵便配達のバイトしてること、知ってるよな」
「うん」
「お前の家にさ、あの手紙を届けたの、俺なんだよ」
「……!」
芙由香は絶句する。
「だから……今、お前が死んだら、俺は……後悔するどころじゃ済まなくなっちまう。俺がお前を殺したも同然だからな……」
「だったら、なんで私の家にあの手紙を届けたの?」
「……え?」俺は思わず芙由香の顔を見上げる。彼女は俺を睨むように見据えていた。
「あんたがあの手紙を届けなければ、私だってこんな気持ちにならなかった。そりゃ仕事だから仕方ないのかもしれないけど……あんたはあの手紙が戻ってきたのを見たら私が傷つくって、分かってたんでしょう? だったらなんで届けたのよ!」
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