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瑠璃色の双眸がじっと俺を見つめる。
口元を少しだけ尖らせ、頬を僅かに膨らませて。
こんな仕草ですら可愛らしく見えてしまうのだから、惚れた欲目とはよく言ったものだ。
「……バカ。親密そうとかそういうんじゃないから。あの人とは、ただの腐れ縁」
「うっそだぁ」
「……嘘じゃねぇよ。それに──」
目の前にある、全てを抱き寄せる。
細い身体、綺麗な金糸雀色の髪、輝く宝石のような双眸──そのすべて。
「っ、なお──」
「俺は……お前だけだから」
お前にしか──。
「懐かないから」──耳元で静かに囁いて、淡く桜色に染まった唇へ、そっとキスを落とした。
【尚斗と誕生日とプレゼント~After Episode~_Fin】
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