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次の角を曲がれば、もう家、という頃。
「胡桃!」
突然ガシッと腕を掴まれ、思わず『ヒャッ』と声が出る。
「何回も連絡したんだぞ!何だよ?あのメール?!」
「…篤史…?なんでここに…」
篤史の家は電車で2駅先だ。
「全然納得いかないからな!
わかるようにちゃんと説明しろ!」
いつも温厚な篤史が、怒っていた。掴まれた腕が、痛いほどーー
その時、狭い住宅街の道路に車がキーっと停まる。
「…胡桃?」
「お母さん…」
傘を差した母親が心配そうに車から降り、見ていた。
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