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胡桃と篤史は家を出て、近くの公園に向かって歩いた。
「胡桃のおばあちゃんさ、お見舞いの時、『胡桃の花嫁姿が見たい』って言ってたよね。
俺のこともすごく気に入ってくれて」
「うん」
隣同士、歩きながら話す。
「見せてやろうな」
「えっ…」
胡桃は足を止めた。
3歩先で足を止めた篤史が振り返る。
「4年、待って。
迎えに来るから」
「…」
胡桃は何も言えなかった。
「胡桃の花嫁姿、おばあちゃんにも絶対見せてあげような」
「はっ…?」
言葉は耳に届いているのに、胡桃には篤史が何を言っているかわからなかった。
「結婚しよう、胡桃」
「…」
篤史はとても優しく微笑んだ。
「返事は4年後まで、待つ」
胡桃はみるみる真っ赤になる。
「そんな、…そんな先のこと…」
「…胡桃しか、考えられない
100歳になっても、200歳になっても、
ずっとずっと、絶対胡桃を愛してる」
「篤史…」
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