0人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
12月24日
そういえば。私をたすけてくれたのは、たしか、去年の12月24日だった。クリスマスイブだ。ハルタはないている私に向かってそっと言った。「俺が守ってやろうか?」
決定打だった。このひとは、どうしていまになって、このようなことを言うのだろう。
どうして、たすけようとしてくれるのだろう。
あたしは縋った。そのことばに。そのやさしそうにみえる毛皮に。
「守って、」あたしは、たしかに、たったひとこと、そうつぶやいたんだ。
きっとそこから運命は始まったんだね、
あたしたちの、運命は。
最初のコメントを投稿しよう!