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出逢い
【side_朱莉】
あたたかい――
肌のぬくもりが心地よくて目が覚めた。
「え、あれ、えっ……?」
よれた白いシーツ。足元に散らばる洋服。何も身につけていない肌を抱きしめる広い胸。
「あ、起きた……?」
朝の眩しい光が窓から差し込んで、彼の表情を明るく照らす。
「おはよ」
おでこにキス。ふわっと前髪が揺れて、彼がぎゅっと私を抱き寄せる。
「お、おはよう」
昨夜はトラブルが発生して。問題解決に走り廻って。辿り着いた先にいたのが彼だった。
「私、帰ります」
ちゃんと覚えてる。名前しか知らないような彼と、私一夜を共にしちゃったんだ。
慌てて起き上がろうとしたら、ちょっと待ってよって腕を掴まれる。
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