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軽装でと招待した客は皆、スーツやドレス姿で現れる。予想以上の華やかさに朱莉は少しばかり戸惑いをみせていた。
「皆が待っている。行こうか」
「私、ドレスなんて着慣れてなくて」
胸元が大きく開いたタイトな赤いドレス。朱莉の白い肌によく似合う。
「綺麗だよ、それとこれを」
「ありがとう、翔」
彼女の細い首にネックレスを。この日の為にオーダーした三連ネックレスの輝きがドレスを映えさせる。
はにかんだような笑顔が俺に向く。朱莉には不安な思いばかりをさせてきた。彼女の喜ぶ表情を見れるだけで、パーティーを開いてくれた郁也には感謝するよ。
スタッフルームを控室代わりに使い、ドレスアップした朱莉を待たせる。彼女を連れて会場に登場すると、倶楽部メンバーを中心に拍手が沸き起こる。集まってくれた仲間達を前に簡単な挨拶を済ませる。
「今日はたくさん、召し上がっていって下さい」
郁也の司会で婚約パーティーは順調に進められていた。
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