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『翔のそばにずっといて下さい。彼はいつも一人きりでしたから』
拓真が言ってた。孤独が付き纏う生き方をして来た人だと教えてくれた。稼業のせいで、得るものよりも失うものの方が多かったのだと。
だから、拓真は。慕う心をひたすらに隠して翔に付いて来たと話してくれた。
「私は、貴方のそばにいたいです」
迷った時に翔がくれた言葉を思い出す。
『All I need is You.』
貴方が必要です――
「私も、翔が本当に大切なの」
一人きりになんてさせない。これからはずっとそばにいたい。
「そんなふうに見つめられたら」
腰に絡んだ腕が背を撫でる。ドレスのファスナーに指先が掛かりすっと引き下げる。肩紐をずらすと足元にドレスがパサリと落ちた。
「やっぱりよく似合ってる」
胸元に翔からプレゼントされた三連ネックレスが煌めく。翔は指でそれをなぞると、そのまま膨らみに這わせ手の中に包み込む。
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