最終章・不変愛 

2/13
2294人が本棚に入れています
本棚に追加
/271ページ
『翔のそばにずっといて下さい。彼はいつも一人きりでしたから』 拓真が言ってた。孤独が付き纏う生き方をして来た人だと教えてくれた。稼業のせいで、得るものよりも失うものの方が多かったのだと。  だから、拓真は。慕う心をひたすらに隠して翔に付いて来たと話してくれた。 「私は、貴方のそばにいたいです」 迷った時に翔がくれた言葉を思い出す。 『All I need is You.』 貴方が必要です―― 「私も、翔が本当に大切なの」 一人きりになんてさせない。これからはずっとそばにいたい。 「そんなふうに見つめられたら」 腰に絡んだ腕が背を撫でる。ドレスのファスナーに指先が掛かりすっと引き下げる。肩紐をずらすと足元にドレスがパサリと落ちた。 「やっぱりよく似合ってる」 胸元に翔からプレゼントされた三連ネックレスが煌めく。翔は指でそれをなぞると、そのまま膨らみに這わせ手の中に包み込む。
/271ページ

最初のコメントを投稿しよう!