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愛しい人の腕の中で、抱かれる幸せに満たされる。
婚約パーティーも終わり、その日から翔との生活が始まる。引っ越し作業は事前に済ませてあり、あとは翔の会社に転職をして、時期を決めたら結婚式を挙げる。
「退院おめでとう、伝えておいてね」
「了解、朱莉さんもお元気でね」
パーティーの数日後、陽斗は無事に退院を迎えた。でも、彼の要望で退院時は亜紀さんや同僚達が出迎えに。私は来なくていいと陽斗に言われた。
『退職したばかりだろ、朱莉はしっかり桐谷さんに付いて行け』
『わかった、陽斗も頑張ってね』
携帯越しに聴こえてくる彼の声は穏やかで、とても落ち着いていた。
ありがとう、陽斗。ずっと貴方がいてくれたから、どんなに心強かっただろう。
退職後、翔との新しい生活は思っていた以上にあたたかで、ふんわりとした時間が心地良い。
「今日、倶楽部へ……?」
翔から連絡があったのは、パーティーからだいぶ日にちも経っていた頃。
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