夜の月

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「私、……寝ちゃった!」 そうだよって。翔のキスがまた首筋から鎖骨へ。 「寸前で逃げられた」 熟睡されたら抱けないよ、翔はまたおかしそうに笑ってる。  長い指先が膨らみを優しく撫でまわしてる。もう片手が脚の方に降りて。 「教えてくれたらよかったのに」 息が乱れる。うっすらと開けた目の前に翔がいる。 「また逢いたかったから。言わなかった」 「ほんとに……?」 「嘘だったら自宅になんて連れて来ないよ」 翔の言葉が嬉しい。逢いたかった―― 同じ気持ちでいてくれたの? 「少し、黙って」 唇が塞がれる。やわらかな感触は唇から胸元に降りていく。   ベッドの脇に脱がされた服が散らばる。淡いライトに照らされた翔の表情が綺麗で。  翔が好き。込み上げる想いに瞳を伏せた。
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