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「どう、掴めそう?」
スケッチを取っていたら、陽斗が横から顔を出す。
「羽衣…… でしょう。幾つか案を考えるわ」
「既存の羽衣デザインは使えないらしいから。宜しく頼むな」
自社製品にも羽衣がある中、新規デザインでと要望があった。特注品扱いになる。どんな企業かと来てみたら―― まさかの芸能事務所ANJEからの依頼にちょっと驚いてしまった。
「そろそろ、向こうへどうぞ」
衣装担当だという男性に案内をされて撮影現場を出る。通された会議室で、さらに細かい要望をお伺いして詳細を詰めていく。
「見積もり書はこちらに――」
価格や納期に関しては陽斗が。私は羽衣のデザインと、それに合う生地や色を探さなければならない。
一時間程打合せをして、案件がまとまった。ほっとしながらビルを後にする。
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