出逢い

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 若くてイケメンのお兄さん。店員さんから男性の服装を聞いて辺りを探す。  結局見つからなくて、途方に暮れて駅まで歩き出した。この辺りは深夜まで営業している飲食店が多く立ち並ぶ。 「お姉さん、いかがですか」  黒服の男性に声をかけられる事も多い通り。しつこくは追いかけて来ないけど、一人で歩くにはちょっと怖い通りだ。  素早くその通りをすり抜けようと足早に歩いていたら、真横から男性の声が飛び込んできた。 「なんだ、その紙袋」 「拾ったんだよ、高そうなもんみたいだからさ」 紙袋! もしかしたらと振り返ると、若い男性が二人で話していて。 「すみません、それ、見せてください」 必死でお願いをして頭を下げた。でも、男性達はすぐには返してくれずに、にやにや笑ってる。 「お姉さん、一緒に遊ぼうよ」 「拾ってあげたお礼にさ」 どうしよう―― なんだか怖い。 
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