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魅惑夜
【side_翔】
朱莉の髪がふわりと手にかかる。背を抱き起こしてキスを重ねあう。
脚の間に指先を伸ばすと、朱莉は俺の肩に顔をもたれて表情を隠す。
「まだ緊張してるの?」
俺の腕を朱莉の指先がぎゅっと掴む。その様子が可愛らしくて背をすっとなぞり上げると、びくりと朱莉の身体が震える。
昨夜、倶楽部がある通りで朱莉と出逢った。彼女に絡んでいた二人には見覚えがある。働かせて欲しいと倶楽部にも来ていたが、数日で辞めた二人。
多少の責任を感じて系列のカフェバーに朱莉を連れて行く。郁也に指示を出して朱莉の靴が直るまで彼女と時間を過ごした。
俺を知りながら誘いをかけてこない朱莉と話すのは新鮮で、恥ずかしそうにされると妙に可愛らしい気がした。
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