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もうヤクザはお腹いっぱい
バタバタバタと子どもの足音のような音が、子どもじゃない体重の音で響いたと思ったら、バーンって襖をこれまた子どものように両手で開けた、ガタイのいい人が
「修哉にハニーができたって本当か!!!」
と「どんだけ広い部屋なんだよっ」って言いたくなるようなでかい声で叫んでた。
さらに真っ青になった天使が「口から出てますよ」と震える声で教えてくれた。
あ、やべ。ってか、オレまだゴロゴロしてますけど。ソファーで。
うーん、離れ難い。
仕方ないと起き上がって・・・みたら、みんな立ち上がってビッと90度に頭を下げていた。最敬礼じゃん。
・・・え?このお子ちゃま?が偉い人なの?
「おお、お前さんが修哉のハニーか。俺はここの頭で、清田 陵生っての。よろしくな」
と右手を出した陵生さんは二カーって歯を見せて笑った。
はあ、とかまあとかわけのわからんことを口走って右手の人差し指と、ちょんって挨拶しておいた。
ヤクザに利き手渡すほど、馬鹿じゃないよ。
「はははは、お前面白いやつだなぁ。ちょっと飯作ってくんない?」
腹減ったよな、と周りの人に同意を求める。子どもか。
「料理出来ませんけど」
と、とりあえず立ち上がってキッチンへ案内してもらう。
後からついてきた修哉が気になるけど、昼飯作ったら帰ろう。
オレのゲージはもうempty。チカチカ光って残りわずかだから。
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