盗賊

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・・・・ 「陛下、男達は逃げないように見ておきます。が、どうされますか?」 男達と少し離れてライト隊長と話をする。 「とりあえず、クリストフェルさんと話をしてくるからその間は待機させといて。じっとしていれば悪い目には合わせない、と。」 「わかりました。」 ん? 何か言いたそうだな。 「ライト隊長はどう思われていますか?やはり、甘すぎると?」 「、、、まぁしかし、私は陛下に従「あー、もちろん、最終的な判断は私がする。けど、いろんな人の意見も聞いてみたいなって思っただけ。あまり重く考えないで答えてほしいな。」 「・・・陛下は、あの族を完全にお許しになるつもりですよね?」 「うん。私はあの人達は直接的には悪くないと思っている。そしてあの人達が族にならなければならなかった理由を聞いて少しでも境遇を良くしてあげたい。」 「本気ですか?」 「うん、本気です。」 「許す分には、陛下の広い心に俺も助けられているから何とも言えませんが、、、俺は、情けはいらないと思うんですよ。」 「情けですか?」 「俺はその育つ環境が悪かったとか、悪循環とかそういうのはないと思ってるんです。つまり、そういう境遇に陥っているのはそいつら自身の怠惰が招いていることだと言いたいんです。もし、自分の置かれている境遇、いや、自分を生活が嫌なのであれば打開策を見つけて対応すればいい。どんなことだって打開策はあるはずです。それをしなかったというのはあいつらが現状で満足しているということではないでしょうか。」 確かにそうかもしれない。 「ライト隊長がそうおっしゃるのもわかります。あの方々も何かしらの努力をすればまた違った道を歩んでいたのかもしれません。」 「そうです。でもあいつらはただ毎日悪事を働き他人から奪った物や金でのうのうと生きてやがるわけです。」 「しかし彼らは生まれたときからそうやって生きて来たのです。それが当たり前だと思って生きている。」 「いえ、やっぱ俺はそうは思えませんよ。あいつらだって悪事をしているというはずです。ってことはだとは思っていないはずです。しかし、もう反論はありません。俺はですね、陛下、悪事を働く奴は全員死刑台送りにして見せしめにしてやることによって無くす方が、いいに決まっていると思ってますよ。もちろん、そんなこと陛下がしないって言う事はわかっていますが、でもしなければきっと嘗められて、ますます悪事がはびこってしまうのではないか、と思うのです。」 「そうですね。確かに罰はいるかもしれませんが、、、死刑はやりすぎではないですか?」 「生ぬるい罰だと奴らは悪事を繰り返します。陛下が命じるなら尚更、全員処刑台送りにしたって誰も咎めませんよ。」 ううっ、言ってることが恐ろしい!
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