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長い沈黙が続く、と思われたが誰かが空を飛んできて、そのままマコトの前にスタリと着地した。
金色の髪が月光を反射する。その片手には剣が握られているが、血はついてはいないようでマコトはホッとした。
「エリアス、」
「マコト、このまま町を出た方がいいかも知れません。ベルナール卿も怪しいです。」
エリアスは大股でこちらへと歩いてくる。
「と、いうと?」
「こちらに来る前に宿の馬小屋を見に行きましたが、我々の馬がいませんでした。後で連れて来ると言っていたのに。」
「あらー、、、」
やっちまったな~。
この世界では馬は大事な足だというのに。
「早急に代わりの馬を見つけて王都へ戻るべきかと。」
「しっ、来たぞ。」
広場を見ていたライト隊長が小さな声で言った。
マコトとエリアスも壁づたいに顔を出す。
10、いや、20人くらいの男達が道から広場にぞろぞろ入ってくるのが見える。
中には馬に乗っている者もいる。
「我々を探しているようです。」
「どうされますか?陛下。」
ナイトがまだ来てないし、このまま逃げても馬がないのではこちらが圧倒的に不利だ。
「もし、戦闘になるなら捕らえて、、、いや、待って。」
今、ここにはライト隊長とエリアスしかいないのだ。果たして選択肢があるのか?
「捕まえますか?」
私が言葉に詰まっているとライト隊長が提案をした。
「え!?できるの?あの人数を?」
「陛下のご命令とあれば。やれるよな?坊っちゃん隊長。」
「はい。」
なんと頼もしいのだろうか!
「お願いします!2人は敵の無力化を。そして私が水の魔法で拘束します。」
「了解しました。じゃ、馬乗りが多い左を俺が。」
「では、私が右を。マコトは私についてきて下さい。」
「ラジャー!」
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