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ハイネ。
それを聞いたとき、かわいい名前の町だな、と思った。
ハイネは十二貴族のエドゥアルド・バストリーニの管理する町のひとつで、名前の通り嘗てはハイネ卿が統治していたという。
しかし紆余曲折あり、現在は小貴族ベルナール・ロザンタールが統治しているようだ。
こういった訳アリの土地はこの国に多い。
そしてこういう街にありがちなのが貧しく税を納めることができないということだ。
それは国にとっては全く迷惑な話であるが、ただ、マコトにとっては問題ではない。
そういったお金のほとんどは国王の懐に入るものだし、それに関してはマコトは受け取らないことにしている。
それに城の倉庫の物を売ったことによって兵達を養うだけの充分な蓄えはある。
戦争が勃発しても、2、3回くらいなら何とかなりそうだ。
ただ、貧しい街を貧しい街のまま放置するのは駄目だ。
王位継承戦でダリルさんとも約束したし、街の現状を全部把握して国民が安心してすごせるような国にしていきたい。
「と、いう経緯で魔剣を取りに来たついでにこの町を見学することにした。」
「なるほどっすね。」
槍を背にかかえたライト隊長が頷いた。
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