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「さて、と。」
古びた椅子に座ると軋む音がした。
クリストフェルさんはだいぶ落ち着いているけれど、その両脇にいる男達は態度は大きくまるでこちらを威嚇しているようだ。心なしか緊張しているようにもみえるけど。
本当はクリストフェルさんとさしで話をするつもりだったけど、クリストフェルさんのお願いでやかましく騒いでいた男ともう1人とも机を囲むことになった。
武器は取り上げているけど、拘束は解いた。クリストフェルさんはともかく両脇の2人が体格がいいのが気になる。
まさか暴れるつもりじゃないよね!?
「チッ」
円卓の机を挟んで座っているやかましい男の方が舌打ちをした。その後ろでそれを聞き逃さなかったエリアスがキッと男を睨んだ。
わー、すごい。
舌打ちをする度胸があるなんて。
と、いうか、舌打ちをすることによって自身を落ちつかせ、奮い立たせているように思う。
ライト隊長には男達をみてもらっているから、こちらは私、エリアス、ナイトで3対3なわけだけど、力量は圧倒的にこっちにある、、、と思いたい。
「あー、えっと、、、まず、クリストフェルさん以外のお名前をお伺いしていいですか?」
心の中でと言ってもいつまでもやかましい男の方、じゃない方なんて呼ぶわけにはいかない。
「陛下、どうか私のことはクリストフェルとお呼びください。」
呼び捨てでいい、ということだろうか。
「こちらがニコ。こちらがベルです。」
クリストフェルが答えた。
なるほどね。にこりともしないやかましい男の方がニコ。じゃない方がベル。
ってか、それ呼び名(愛称)だよね!?
本名???
・・・ま、いっか。
「わかりました。よろしくお願いします。」
ムスッとしているニコとベルの態度にもう心折れそうだけど。
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