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「でも良かったよ。バストリーニ卿が協力してくれて。是非礼を言っておいて下さい。」
ハイネの町の入口で馬を下りながら、マコトは門の前で膝をつく男に声を掛けた。
「協力、といいますか、私が不甲斐ないばかりにわざわざ国王陛下にお手間を取らせて申し訳ないところでございます。」
「手間、だなんて。私がこうしたかったんだ。」
「卿はこの場に来れないことを大変残念にしておりました。紹介が遅れましたが私、ベルナールが町をご案内いたします。できるだけ何にでもお答え致しますのでどうぞよろしくお願い致します。」
「はい、許します。顔を上げて下さい。」
顔をあげたベルナール卿のその顔は痩せこけている。
それによく見れば一応正装をしている様だが服はよれよれで汚れている。
身なりだけ見ればとても貴族とは思えない。
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