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「こちらこそよろしくお願いしますね。」
マコトはにこり、とするとベルナール卿も力なく微笑んだ。
大丈夫かな、この人。
ベルナール卿の側近だろうか。
男が私たちが乗ってきた4人分の馬の手綱を纏めている。
「さて、こちらにどうぞ。」
そう言うとベルナール卿は自ら門の扉を開いた。
「これは、、、、」
街に入った途端エリアスは絶句した。
今にも倒壊しそうなボロ小屋が、、、いや家だ。
しかも人が住んでいる気配がする。
壁や屋根には穴や隙間が空いている。
同じようなボロボロの家がずらりと街のメイン通りに並んでいる。
それに、人がいない。
「汚い露店は仕舞わせたのですが、、、陛下にはお見苦しい物をお見せして本当に申し訳ないです。」
驚く一同を見てベルナール卿は目を伏せた。
「いえ、見苦しいなどとんでもないです。こうさせたのは我々上に居る者でしょうから。」
でも、これは思っていた以上にひどい有様だ。
王都からそう遠くないというのにここはまるでスラム街だ。
「陛下、どうか我々から離れないようにお願い致します。」
ナイトが耳元で囁く。
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