また会えたら

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ミーんミーんミーんミンミンミーん 騒がしいセミたちの大合唱で目が覚める 直「なんだよ朝っぱらから。こちとら疲れて寝てるのに朝からご苦労様ですね!」 そんなどうでもいい愚痴をこぼしながら、寝床から起き上がる 直「ふぁーあ。今何時だ?」 ケータイで時間を確認してみる 直「8時か、まあまだ余裕あるかな」 俺は早速下に降りシャワーを浴びることにした 直「ふぃー!やっぱり朝シャンは最高だぜ!!お目目もパッチり!!よーし飯飯!」 朝飯を求めて台所に向かうと1枚の置き手紙が置いてあった 母(直へ、朝ごはん作るの忘れちゃった汗。自分で作ってね♡美人の母より) と、書いてあった 直「ファック!!何が♡、だよ!しかもどこが美人!?寝言は寝て言え!」 1人意味不明な手紙にツッコミを入れつつご飯を何にしようか考えることにした 直「んー、材料はあるか、よし!チャーハンにしよう!」 そう思いフライパンを手に取るとフライパンにもなにやら手紙のようなものが貼ってあった 母(あっ、あんたのことだからどうせバカの一つ覚えのチャーハンでも、作るんでしょ?知ってるんだからね!ちゃんとバランスよく食べなさいよ?P.Sお母さんは美人じゃないって?後で覚えておきなさい?♡) ………… 直「ファックファックファック!!!なんだこの見透かれてる感!悔しい!悔しすぎる!ならオムライスでも、作ってやる!」 そんなこんなで俺は朝の時間を、結意義に過ごした ……………… 2015年8月27日午前11時 俺はある人と会うために待ち合わせしていた駿府公園に、いた 直「ちょっと早く来すぎたかな。でもこういう大事な約束は早く来るべきだよね!あー緊張するな〜汗」 今日はネットで仲良くなった人と初めて会う日だったのだ 直「どんな人なんだろうか、嫌われたらどうしよう。あー怖い、帰ろうかな……」 そんなことを、ブツブツボヤいていると、 女「こんにちは、あの直さん、ですか?」 1人の綺麗な女性が話しかけてきた 突然の出来事に驚いた俺は 直「は、、はひ!そそそそ、そうでふ!直とも、、もうします!初めまして!」 裏返った声で明らかに不自然な反応を、してしまった 女「フフフフフフ、緊張しすぎですよ〜もう。あっモエです!お会いするのは初めて、ですよね。初めまして」 と、笑いながらも彼女は丁寧にお辞儀をした 直「こ、こちらこそ」 おれも遅れて軽く一礼をした 直(なんてことだ、ファーストコンタクトがこんなんなんて。絶対印象最悪だよはぁやっちまった) 冷や汗が止まらなかった モエ「あの、大丈夫ですか?汗がすごいですよ?」 そう言うと彼女はハンケチで俺の汗を拭き取ってくれた 直「あ、あ、すみません!あっそれ洗ってお返し致しますね」 そう言って彼女からハンケチを、受けっとた 可愛いハンケチだった 出鼻をくじかれた気もするけど動かなきゃ! 直「あの、それじゃそろそろ行きますか!」 モエ「はい!よろしくです」 そうして俺と彼女の長いようで短い1日が始まったのだ ………… しばらく歩いていると彼女は急に、立ち止まった 直「どうしました?大丈夫ですか?」 モエ「大丈夫、道変えましょ?あっちから行きたいです!」 直「いいですけど、ほんとに大丈夫ですか?無理はしないでくださいね?」 モエ「ええ、大丈夫です、ありがとうございます」 と彼女は少し真剣な表情で返した 何度か似たような出来事が続いた その度に彼女は真剣な表情で同じ事を言うのだった 俺にはそれが気がかりだった もしかしたら楽しくないのかな、そうとすら思えた 最初と度々おこるその不可解な出来事以外、デートはなかなか俺にしてはうまく出来たと思う ………… そしてお別れの時が、来てしまった 俺はずっと伝えたかったことを伝えようか悩んでいた 直「今日はありがとうございます!その楽しかったです!ほんとにありがとうございます!」 モエ「あ、あのまだ一緒にいたいです」 彼女は必死そうにそう言ってきた 直「いやでももう遅いですし、近くまで送りますから。」 モエ「あ、ありがとうございます、すみません」 彼女は悲しそうに、そう言って俯いてしまった 彼女は終始そんな感じだった モエ「もう、ここまでで大丈夫です。ありがとうございます今日は楽しかったです!また会えますか?」 直「勿論です、またぜひ!よろしくです」 そう言って暫し見つめ合いながらただ立っていった 恥ずかしくなって俺が 直「それじゃあおやすみなさい」 と言い来た道を、帰ろうとした すると、 モエ「気をつけてお帰り下さい」 と、彼女が声をかけてくれた 俺は軽く体を捻り手を振りながら歩を進めた 俺はその日のことを思い出しながら帰路についていた 直「今日は楽しかったな。モエさん素敵な人だったな。俺の気持ち伝えればよかった」 なんて後悔ばかりだった すると、突然目の前が明るくなった 何だ、と、思った矢先 ドンッ!撮、鈍い音と共に俺の体は吹き飛ばされた その瞬間俺の目の前は再び暗くなった …… 女「…………さん!……な……さん!直さん!」 俺を必死で呼ぶ声に誘わられ目が覚める なんだか意識が朦朧として、体も動かなかった 女「直さん!モエです!聞こえますか?お願いします返事をして!……やっぱり引き止めるべきだったのに!直さん私はあなたが好きです。だから死なないで、絶対に、死なせない!だから待ってて下さい!絶対救って見せます」 俺は薄れゆく意識の中で彼女の言葉が何度も頭の中で再生される 彼女は何を言ってるんだ?何が起きたんだ? 俺はどうなるんだ?死ぬのか?思いも伝えずに? そんなの嫌だ、絶対に! 俺は最後の力を振り絞って声をだそうとした 直「あ、ぅ、、…………」 現実はあまりに残酷だった それは誰にも届かないであろう声であった どんどん意識が遠のくのがわかる モエさんの声が近くにいるはずなのにもう遠くに聞こえる 野次馬だろうか、色んな人の声が聞こえる 俺は死ぬんだこんな形で、最高かよ 直「ありがとう」 俺は聞こえるかはわからないが自分では精一杯の力を振り絞ってその一言を言い流れに身を任せた ……………… 目を覚ますとそこにはあたり1面真っ白い世界が広がっていた 何も無い、ただひたすら真っ白い 直「ここはどこだ?俺は死んだのか?」 ??「そうさ、坊やは死んだんだよ?ここは死後の世界とでも言っておこうかねヒヒッ」 どこからか老婆のような声が聞こえてきた 直「だれだ!どこにいる隠れてないで出てこい!」 老婆「おやおや威勢がいいねぇ。そう焦らさんな、ほれ」 そう言うと先程まで真っ白だった周りが霧が晴れたようになった、 そこはファンタジーの世界でみるような庭園だった 意外にも老婆は俺の近くにたっていた 老婆「ヒッヒッヒッ、驚いたかい?そうじゃろそうじゃろ!ここはワシのお気に入りなんじゃよ」 直「えぇ、綺麗だ。まるで天国みたいだ」 老婆「天国、近からず遠からず、じゃな」 天国に近い?どういうことだ? 俺はさっき自分に起きた一抹の出来事を思い出した 直「そうだ、俺死んだんじゃ?確かに俺はしんだはずだ!」 老婆「ヒヒだから先程そう言ったろう?お前は死んだんだよ、そう、さっきのでちょうど100回目かの〜」 老婆は考える仕草をしながらそんなことを言った 直「100回!?何言ってるんだ婆さん!ぼけちまったのか?人がそんな死ねるわけないだろ!」 老婆「普通はな、じゃがな……うーんこれは言うても良いのかはてはて」 老婆は何かを、渋っていた 直「知ってるなら教えてくれ!頼みます!」 老婆「仕方あるまい、これは例外としておこう。実はなお主が最初死んだ時片割れにいた女子がの祈ったんじゃ。{彼を助けてくださいお願いします、何でもします。}とな。そこでワシの出番というわけじゃ」 彼女ってモエさんか?まさか彼女がそんなことを? 直「どういうことだ?」 老婆「これ、焦るでない今話す。そこでワシは言ったんじゃ彼を救うチャンスをやろう。その代わり私の願いを聞けと。そうしたら女子は泣きながら頷いたのじゃ。つまりワシと契約をしたのじゃよヒヒヒヒ」 契約、まるで悪魔の取引じゃないか! 直「どんな内容なんだ?」 老婆「これは賭けじゃよ、女子がはお前を救えるか、のな。だからあの女は何度も何度も同じ日を繰り返しお前を救おうとしてる。無駄なことなのになヒヒッ。もしあの女子が諦めれば私の勝ち2人の命を貰う。もしあの女子がお前を救えれば私の負けお前は助けてやる」 なんだそれは、結局モエさんは命を取られるということか!?そんなのは許せない 直「そんな話許されるわけがないだろ!今すぐやめさせろ!」 老婆「無駄じゃ契約は何人たりともどうにかすることは出来ぬ、ひひひひひ」 じゃあ、どうすれば彼女を救えるんだ! 俺はやり場のない悲しみ、苛立ちを隠せなかった 唇をかみしめ、爪がめり込むぐらいに握りこぶしを作っていた そんな俺を見てなのか老婆が 老婆「ふむふむ、ならお前が変わりに契約をするか?それなら考えてやろうどうじゃ?」 直「何をすればいい?」 老婆「ほう、そうじゃなお前は死ぬのだ。そして死して後ワシに仕えろどうじゃ?」 直「それでほんとに彼女を救ってくれるのか?嘘偽りはないか!?誓えるか?」 老婆「死神に二言はない。誓おう」 直「なら分かった、ただお願いがある。あと1回俺にまた今日を生きらせてくれ。今日しっかり死ぬからせめてあと1度彼女にあわせてくれ!頼む」 老婆「良かろう、安心せい彼女はもうしっかり初めてお前と会うときに戻っている。存分に楽しむが良い……ただし彼女の前で必ず死ぬんじゃよ?良いな」 直「ぐっ分かった」 老婆「では楽しませてくれよ?ひひひひひっ」 老婆の笑い声と共にまたあたりが白色で覆われていく あたりが元通りになった時、俺は深い眠りに誘われた ………… ミーンミーンミーンミンミンミーん バッ!!、 布団から勢いよく起き上がる 俺は生きている、あれはゆめなのか? そう思い日付を確認すると、しっかり8月27日となっている 直「夢じゃないのか、じゃあ俺は今日死ぬのか。ならやることは決まってる」 とりあえず気持ちを、リセットするため朝シャンすることにした 髪の毛をタオルで拭りながら台所に行くと置き手紙がおいてあった 全く同じ内容が書いてあった 直「今日でこれも見納めか、なんか切ないな。、何もしてやれなかったな」 そんな後悔だけが残ってしまった 直「後悔してても仕方ない、できる限りのことをしよう!」 早速おめかしをして待ち合わせの場所へと向かった 彼女はこの前通りに現れた でも俺はもう、緊張せずに出鼻をくじかれることもなかった ただ1つ違うのは彼女が凄い緊張していていたこと、素で楽しそうなところだった そんな彼女を見てると死ぬのが怖かった でもそれで彼女が救えるのなら何でもしたかった 楽しい時間はあっという間に訪れた モエ「ありがとうございます!今日は楽しかったです!また明日もお願いします!」 俺にはもう明日はないだから今日で終わらせないと 直「あの!俺……俺は!!」 この前言えなかった言葉を、伝えずにはおわらない!絶対に 直「俺はモエさんが好きでした!今までありがとうございます!!これ一日早いですけど誕生日プレゼントです!もらってください!」 そう言うと俺は前から彼女がほしがってた可愛いクマのアクセサリーが入った小包をわたした モエ「ありがとう!私も直さんのことが好きだよ?ありがとう!」 彼女は今にも泣きそうだった 俺はその時契約のことを忘れそうでもあった そんぐらいに嬉しかった、幸せだった 直「あ、り、、がと……ぐっ」 涙が出てしまった、うまく言えなかった 死が近づいて来ているのが恐ろしかった このまま時が止まればよかったのにそう思った 直「モエさん、近くまで送ります」 そう言って俺はモエさんの手を握り、彼女と歩き出した 少し歩き横断歩道に近づいた時、子供が可愛いらしく歩道を、渡っていた それを眺めていると脇の方から明らかに異常なスピードで走っているトラックが目に入った 危ない!そう思った矢先俺は握った彼女の手を離し、一直線に走り出した 子供までたどり着くと遠心力を頼りに彼女の方に子どもを投げた! ガシッ! 彼女は子どもをしっかりキャッチしていた 直「ナイスキャッチ!ありがとう、大好きだよ」 そう言った刹那、ドンッ あの時の衝撃がまた体を走った 今度は目を開けていられるほど優しくはなかった すぐに彼女が駆け寄ってきたのがわかるが何を言ってるのかわからなかった 遠のく意識の中で彼女は何度も俺の名前を言ってくれた、そして手も握ってくれていた 嬉しかった、幸せだった ・・・・・・ 老婆「おやおや、ずいぶんと楽しませてくれじゃないかい。約束だからね彼女は助けてやるよヒヒ」 直「ホントだな」 老婆「言ったろ死神に二言はないと。お前はこれからワシのとこでめいっぱい働いてもらうからね覚悟しなよ?ヒッヒッヒッヒッ!」 老婆「それにお前が死ななければ彼女は助からんかったよ」 直「どお言うことだ?」 老婆「死からは逃れられないのさ、今日死ぬはずのやつが生きれば誰かが変わりに死ぬ、ただそれだけの話さ。いずれお前にもわかるよヒッヒッ」 俺は死んでしまった 愛しき人を守るため、救うため これでよかった、彼女が幸せになってくれればそれでいい 人は誰かと出会い、そしていつか別れる 死は巡り巡って世を人を駆け回る 死とはそういうものなのだ
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