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 9月13日の金曜日、大輝は休暇だった。 朝は小雨がぱらついていたものの午後になると晴れ間が広がり、少し生ぬるい風が吹いていた。  その日、大輝は所要のため隣町へと出掛けなければならなかった。そこで用事を済ませるといそいそと家路についた。  大輝がアパートに戻ったのは午後3時過ぎだった。  アパートの周辺はものものしい状況になっていた。 パトカーが複数台並び制服を着た警察官が慌ただしく動き回っていた。  刹那、大輝の心に大きな不安がよぎった。大輝は土谷コーポの住人であることを告げ、なにがあったのかを近くにいた警察官に尋ねた。
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