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二人が森の奥に進むと、その木はすぐに見つかりました。
「これよ!この木の実が甘くて美味しいの!お母さんから借りたこのカゴに詰めて帰りましょ!」
「でも、グレーテル、なんだか木の実が少なくない?」
グレーテルが木を見上げると、確かに少ないような気がしました。
「あら。昨日はもっとたくさんあったのよ」
木には、パイに使うにも足りないほどしか実がついていませんでした。
「ねぇ、グレーテル。木の横を見て。木の実が落ちてるよ」
「鳥さんが落としていったのかしら?」
道なりに落ちている木の実を二人は不思議に思いました。
「ねぇ、グレーテル。もしかしたら木の実泥棒かも。俺がやっつけてくるよ!」
「一人じゃ危ないわ!私も行く!」
グレーテルは大事な妹なので、お兄さんのヘンゼルは守らないと、と強く思って、
「ダメだ!危険だからここで待っててよ!」
「でも私、ヘンゼルがケガしたら・・・」
涙目になるグレーテルを見て、ヘンゼルはこう言いました。
「じゃあ・・・泥棒を二人で脅かして、それで逃げよう。泥棒はきっとこの森に慣れていないから、この森に入りたくなくなるはずさ」
「じゃあそうしましょ。私たちでこの森を守るのよ!」
二人は更に森の奥へと進んでいきました。
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