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二人が森の奥に進むにつれて、森はだんだん暗くなっていきます。
ドロボウが落とした木の実を辿ってここまで歩いてきましたが、グレーテルは少しずつ不安になってきました。
「ねぇ、ヘンゼル・・・もう帰ろうよ・・・暗くなってきたよ・・・」
「まだだよ・・・ドロボウはこの先にいるはずだ」
慎重に進むと、やがて広くて日の光が当たる場所に着きました。
「ここはどこかしら。森の中でこんな場所見たことないわ」
「俺も・・・あっ、グレーテル、見て。あれ、もしかして家じゃないか?」
二人が進んだ先にあったのは、ヘンゼルとグレーテルが住む家よりも少し大きい家でした。
しかも、お菓子で出来ているような見た目をしています。
「こんな所に誰か住んでいたのね。面白い見た目してる家ね!壁一面お菓子みたいよ!」
クッキーの匂いもする、とグレーテルははしゃいでいます。
ヘンゼルが壁のクッキーを1枚はがして口に入れました。
「あっ!何してるのよ!お腹壊すわよ!」
「緊張してお腹すいたからつい・・・でも美味しいよこれ!本物だ!」
本物のお菓子で出来ていることに二人が驚いていると、家の中からどなり声が聞こえてきました。
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