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「やっぱり!そうだと思った。 “料理のことは聞いてくるな、この本で調べなさい” ってことだなって」
「そうそう、良く分かってる。その通り!」
母とのこんな何でもない日常の会話は、本当に久しぶりだ。一年ぶり?いやもっと、一年半位になる。
私がしたかったのは、母とのこんな普通のやり取りだった。
母が手伝ってくれたので、洗濯物はいつの間にか畳み終わっていた。そのまま手を止めてぼんやりとしてしまっている私を見て、母は何かを感じたのかもしれない。
「何かあった?」
「何か…ね」
久しぶりに母と話せたというのに、今の悩みを話してしまったら、この楽しい雰囲気がなくなってしまう。それは嫌だった。
だけど、そんな気持ちに反して、母に聞いてもらいたいという気持ちもあった。
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