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膝をつき、一心不乱に足元を掘り起こす。スーツが汚れる、両手は土まみれだ。それでも俺は手を止めない。はたから見ればかなり怪しい、スーツ姿の中年男が公園の隅で穴を掘っているのだから。
その姿でどれだけ掘ったのだろうか、額には汗が滲み、指の感覚が無くなりそうだった。やはり無いのか、諦めかけたその時――――
「あった!」
人差し指に当たったそれを、化石が発掘されたように喜んだ。握れば潰れうな、丸いプラスチック。「村上へ」とマジックで書かれたガチャガチャのカプセルだった。中には紙が入っている。むさぼるように俺はカプセルを開け、紙切れを取り出した。
スマホの灯りを照らしながらその汚い字を読む。俺達はお互いに手紙を書き、ここに埋めていた。お互いに内容は伏せて、大人になったらもう一度この場所で一緒に読もうと。
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