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「続きって……続きって何だよ……続きなんてあるのか?」
「え?……そりゃぁだってまだ途中でしょ?っていうかこれからじゃん。これからまた始まるようなもんだろ?」
「……始まる? 始めてもいいの?」
「いやだからいいも何もそんなの……」
漫画の続きの事なんて俺たちには決められないよ。
掴まれた腕に力が入っていくのを感じる。
なしもっちゃんの手が汗ばんでいる。
あの、けっこう痛いんですけど……
「好きでいていいのかよ……」
ん? んん?? 好き……???
そんなセリフ出てきたっけ? あの漫画、恋愛要素なんてなかったような……
「なぁ、昭……じゃないや、斉藤……俺、俺さ……」
「えーっと、ちょっと待ってね。なしもっちゃん……あのさ……ちょっと俺、意味がわかんなくなってるっていうか……あ、それと呼び方は昭でも斉藤でもどっちでもいいよ。」
「どっちでもいいなんて言うな……俺は昭って呼びたかったし、晴って呼んで欲しかった……ずっと、ずっと前から……」
え? 嘘? なしもっちゃんていうあだ名嫌だったの? 俺はけっこう好きなんだけど……
ねぇ、何でさっきからそんなに泣きそうな顔してんのさ。
潤んだ瞳からは今にも涙が溢れそうで、もしも溢れたら受け止めてあげたいのに、大丈夫だよって言ってあげたいのに、このままじゃ無理だ。
ん?……
受け止めてあげたいって何だ?
大丈夫って何が……?
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