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早苗は2ヶ月後に迫った結婚式の準備で大忙しだった。
早苗の両親も大喜びだった。
そして急な結婚式にも関わらず、友人達からも快く出席したいという返事をもらった。
何もかもが上手くいっているかのように思えたが、1つだけ早苗が不安に思っていることがあった。
聡とまだキスどころか手もつないでいないのだ。
今どきの中学生だってキスしてるのに!と内心不満を募らせていた。
このままではいけないと思い、思い切って聡に打ち明けてみた。
「ねぇ…私達さ、そのまったく…。」
「んっ?どうしたの?」
「…………………。」
早苗は恥ずかしくなり黙ってしまった。
「早苗、僕たちはこれから結婚するんだから、言いたいことがあったらすぐに言って欲しい。早めに解決したいんだ。」
「その私達、まだ全然触れてないなって思って。手も繋いでないし。結婚するのに…。」
「……そんなこと気にしてたの。俺はただ早苗のこと大切にしたいって思ってたんだ。ここまで来たらさ、結婚式で初めてキスするのがいいかなって思ってたんだ。不安にさせてごめん。でもその位に早苗のこと大切なんだ。」
そう言いながら聡は早苗のおでこにキスをした。
早苗は本当に幸せだった。
こんなに愛し愛された結婚を34歳でできるなんて信じられなかった。
今までの人生でも聡以上の人なんていなかったし、34歳にして初恋の人と結婚するようなものだった。
「私、本当に聡が好き。今までまったく結婚に夢なんか見てなかったけど、本当に幸せ。」
「ありがとう。とか言って早苗は魅力的だからいろんな恋愛をしてきたんでしょう。純情なフリしたって俺はそう簡単には騙されないよ〜。」
「そんなことないのに〜!!!」
2人は笑い合って冗談を言い合った。
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