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34歳OL婚カツ中と他人に言うとたいがい結婚に焦っているんだなぁと思われる。
しかし私は焦っていない。
本当は他人と共同生活を送れる気もしないし、ましてや子どもを作って育てる自信もない。自分のことを母性が欠落した人間だと思っている。
このことを昨日婚カツ仲間と飲み屋で話していて、ドン引きされた。
「早苗は仲間だと思ってたけど、本気で結婚したい訳じゃないんだね〜。逆にそう思いたいよ〜。本当にこの年になると子ども欲しいし余計に結婚に焦るわ〜。」
婚カツ仲間は本気で結婚して幸せな家庭を築いて、そしてできれば愛する人との子どもが欲しいようだ。
人を愛して家庭を築くなんて、その過程がめんどくさすぎる。
ではなぜ私が婚カツをしているのかというと、本当の理由は自分にも引いてしまうが、「結婚できなかった女」になりたくないのだ。
今の日本には、今だに結婚して一人前だの、結婚=勝ち組のようなくだらない縮図が人々の根底にある気がする。
私はとりあえず結婚してみて、無理だったらすぐ離婚してその後のひとりの人生を楽しむつもりだ。
年をとってから結婚できなかった人というレッテルを貼られたくないのだ。
なので会社が休みの日曜日の今日も結婚相談所で出会った人とお見合い予定である。
顔やスタイルにはそこそこ自信があった。築き上げたキャリアとそれに反映されているそこそこの給料も私にとっては、立派なステイタスであった。
その辺にいる同年代よりは小綺麗にしてるし、お金もあるからいい生活もしているし、心にも余裕があった。
これでお見合いするのは5回目だ。
今までの4人は顔も名前もよく覚えていない。一言で言うとさえない男達だった。
結婚するという以前に、次に会うほどのエネルギーすら持てなかった。
34歳の結婚相談所での婚カツが厳しいことは分かっていたが、ここまでひどいものなのかと身をを持って体感した。
毎回会う前が一番楽しくてドキドキしたが、さすがにもう期待してなかった。
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