305人が本棚に入れています
本棚に追加
/500ページ
五.贖罪の行方
一
――ルカニアとアープの国境封鎖が解かれた――
聖騎士ユディートが俺にもたらした、ごく短い情報。
だが、俺にとっては途轍もなく重大な意味を持つ。
女屍霊術師(ネクロロジスト)パペッタに奪われた、俺の本当の体を取り戻すこと。
それが、俺の所期の目的だったのだ。
そのためにパペッタが課した条件が、俺の『贖罪』だった。
そしてそのパペッタは、アープの王都アリオストポリの『久遠庵(カーサ・アンフィニ)』で俺の到着を待っているはずなのだ。
……そうだ。
俺は行かなくてはならない。
パペッタが待ち構えているアリオストポリの久遠庵へ。
俺の目的を果たすため、それに俺のルディアでの所業が本当に贖罪たりえたのか、問うために。
最初のコメントを投稿しよう!