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新しい生活と新しい出会いと
それから数日後ーー
「直矢行ってくるね」
「パパ待って」
仕事に向かおうとした遥の手首を掴む直矢。そのまま抱き寄せ柔らかな唇に口付けをした。
「だめ、直矢………んっ………ン」
朝から深く甘い口付けに遥の口から微かな喘ぎ声が零れた。
「早く帰ってくるから、待ってて。だから、だめ、仕事行かないと………なおや………」
このままだったら、ベッドにまた逆戻りだ。何としてもそれだけは避けなければ。
「信孝さんに迷惑を掛けるから」
行き場のない二人を引き受けてくれたのは龍一家の次男坊で、隣県の福島県内で人材派遣会社や不動産会社を経営している縣信孝だった。
今まで面識もなかった二人に信孝は、優しくしてくれる。何でここまでしてくれるの?そう聞いた遥に、自分も同性と結婚しているから、お前らの力になりたいそう答えた。
今二人が身を寄せているアパートも信孝が用意してくれたものだった。
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