街に悪魔がやってきた

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 死神と殺人依頼をした女の裁判が行われる。弁護側は、死神が法で規定する人に当たらないから無罪と主張した。  裁判所の判決が下った。死神は人であり、殺人罪で本来は死刑であるが、執行できないので、終身刑となった。女は死神が突如部屋に現れ、死神を信じてなかったと認められ軽い罪で済んだ。  人類は死神が実在するという、大きな現実に直面したのだ。世界中で殺人で逮捕され、無実を訴える人々の弁護士は、「犯人は死神の可能性がある」として、再審請求が後を絶たなくなる。  全世界の捜査機関は、新たな殺人が起きても、別の死神が犯人である可能性も考慮しなけらばならなくなった。  さらには、外国政府が、日本政府に収監された死神を科学調査するよう、外交圧力をかけてきた。建前は科学の発展のためだが、実際は死神の能力を軍事利用できないかのためだ。  定年退職をした倉本は、思い出し悩む日々が続く。  実験で科学で証明できない存在の犯行だと分かった日のことだ。先輩達がしてきたように、極秘裏に死神を釈放すれば良かったかをだ。
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