刺青師

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細い足、滑らかなくびれ、涙を堪えた鋭い瞳。 不思議なことに、抱くとなればそれを見る目が変わってくる。 上気し赤くなった肌を撫でれば、そいつの呼吸がわずかに震えた。 「あっ…やっぱ、やだ」 「あぁ?…あぁア!てめぇ、俺をその気にさせておいて何言ってんだ」 「させてない!お前が勝手になってるだけだろ」 「ッチ、うるせぇな…金は払うって言ってんだ。嫌だったらケツだけ貸してろよ」 荒っぽくシャツを脱がすと、それで両手首を縛り付ける。 「暴れんじゃねぇぞ。てめぇの血なんざ見ても、萎えるだけだからな」 か細い足を軽々と肩まで持ち上げると、その太ももの内側にも刺青があることに気が付いた。 こんなところまで… もはやそれは一種のマーキングのようだ。 こいつに触るな、これは俺のモノだと匂いを付けるように、直接体へ刻み付けている。 こいつも…もはや愛情の欠片さえ入っていない束縛の痕ばかり残されて、哀れな奴 そんな思いで触れた刺青が、視線の先に写ったとき。 驃は一瞬怯んで動きを止めた。 首を垂れるように、花を下向きに咲かせた不気味な花。 死に装束を連想させる、その白い見た目には覚えがあった。 贈る人の死を望む意味を持つ、スノードロップ。 決して、愛しい人に彫り込むようなものではないだろう。 いや…これは自分の恋人に手を出した、物好きに向けての警告か。 刺青の上を手のひらで撫で付け、思わず苦笑った。 その物好きとは、今まさに自分のことだ。 この花は、俺の死を望んでいる。 驃は密かに嘲笑う。 生憎だが、脅されると自分は余計意地になる。 こんな刺青で怯むほど、清い精神はしていない。 「なぁ…アゼカは最後、てめぇに何て言って捨てたんだよ」 「ッ…だから!捨ててないっ──ッ!ぅあッ…触、な」 無防備に晒される、そいつの恥部を容赦なく煽った。 痛みと快感に歪むその表情を堪能しながら、ゆっくりと耳元に近づき呟く。 「今夜は楽しもうぜ。傷物(blem)
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