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 また私と岡本君は、頓狂な声を出してしまった。動揺は隠せなかった。 「あらあら。このお店まだあったのね」  鈴木さんのお母さんらしき女性は、周囲をキョロキョロしてから微笑んで鈴木さんのすぐ隣に座った。 (そうか、この人も幽霊なんだ……)  不思議と恐怖感は感じなかった。お菊さんと同じ。お菊さんは、あの世へ行ったり来たり出来る人なのだろうか。  腰を抜かしそうになったが、何とか耐えた。食事をしていた手がどうしても静止してしまった。 「では、頂きます」
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