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「昭和のあの味から変わらないのねぇ、美味しい」  鈴木さんのお母さんは、ハンバーグを口に入れつつほころぶ。  山男さんは、照れくさそうに頭を掻いた。 (それにしても、ここに居る三人は、あやかしらしくないなぁ)  思わず言葉に出そうになったが、口をつぐんだ。 「美菜ちゃん、良かったわね、おめでとう」  お母さんは、心から嬉しそうな顔で息子さんの顔を見る。私と岡本君はその意図が分からず、黙って見ていた。  鈴木さんは、少し寂しそうで浮かない顔をした。すると、お母さんは息子さんの肩をポンポンと叩く。
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