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どうしよう、友人に生徒会にだけは関わるなって言われてるんだよなぁ。
こんなこと友人にバレたら……うぅ
顔を青ざめながら回避方法を探していたら生徒会の方々がすぐそこまで来てしまった。
「おい、お前が例の転校生か?」
とても綺麗な声で聞いて来たのは会長だった。そして声を掛けられたのは、
クイッ
「ほぉ、綺麗な面だな」
僕だった。
*********
あの後どうなったのかはよく覚えていない、ただ会長に猛烈な"***"を覚えたのは覚えている。
気づいたら自分の寮のソファにいて、友人が心配そうに僕の顔を覗き込んでいる。
「だいじょーぶ?」
友人、鈴木 裕太は僕の唯一の友達でありルームメイトでもある。僕のルームメイトになる人は今まで顔色を伺う子、顔赤らめ誘ってくる子、顔を顰める子の3種類の反応しかなかった。
だけど、裕太だけは友人だけは違った。
『ん?あんたが風見 天?これからよろしく☆俺の名前は鈴木 裕太だよ☆』
最初は明るくて騒がしそうなやつだと思った。
でも俺が提示した条件はきちんと守ってくれるし、家事もしてくれた。
なにより、俺に興味がないのだ。明るくて能天気で誰とでも仲良くなれそうなやつだが、実際は周りのことを一切気にせず自分の利益のためだけに行動する。そんなやつだ。
世間で言うところのクズってやつなんだろうな。
生徒会に近づいてはいけない、関わるなと言ってきた裕太に食堂であったことを話すのは勇気がいるなぁ。
僕は何も悪くないのに、罪悪感のようなものが心に渦巻いている。
つい、目を逸らしてしまった。それがいけなかったんだろう。
裕太は砂糖菓子よりも甘い笑みを浮かべて僕の頬を包んで強制的に目を合わせられてしまった。
相変わらず感の良い奴だ。
そしていつものごとく裕太はゆっくりと近づいてきた。
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