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時は流れ、現在はお昼休憩の時間だ。
僕は転校生に食堂に行きたいと言われたので、案内することになった。
久我君はあんまり学校に来ないから食堂の場所を知らないようだし、仕方ないね。
「ここの道は真っ直ぐ行くと、食堂に着くよ。それじゃあ僕は教室に戻るから」
早く教室に戻って愛読書を読みたい。1日1回は読み切らないと気が済まないんだ僕は
「えぇ!?天も一緒に食べないのか!?」
転校生は摩訶不思議とでも言うかのように驚きの声を上げる。いちいちうるさいなぁそんなに声張り上げなくていいじゃん。僕は眉少し困らせながら思った。
「うん、僕は教室で食べたいし」
「俺達は食堂までの道を今日覚えたが、教室にすぐ戻るのは難しい。だからお前に帰り道も案内して欲しいんだが」
少し予想外の人からの助力願い。久我君が無表情を和らげながら言った。
?なんで少し微笑んでるの?
よくわからないけれど、久我君がいて欲しいと言うのなら仕方がない。
「う〜ん、2人に言われちゃったら戻りづらいね、わかった僕も今日は食堂で昼食をとることにするよ」
困り笑顔で僕がそう言うと、転校生はとても嬉しそうに喜んだ。声がまた大きくなってうるさいけれど目を瞑ろう。
食堂の扉はかなり大きく、大体人が横6人並んでても入れるくらい横幅が広く縦長だ。
ガチャ
意を決して僕は扉を開けた。久我君と転校生は少し談笑しているけれど、予告無しでいいよね。
ギャーーー!!キャーー!!
ウ"オ"ーー!!ウオ"ーー!!
大きな甲高い声に野太い声。喉、痛くなるのにみんなよくそんな声だせるよ。
僕は顔がいい?みたいだからこんな悲鳴があがるらしい。僕の数少ない友人が言っていたのを思い出す。
「キャー!天様ー!笑ってー!」
「天様ー!!かっこいー!」
「抱かせろー!!」
うーん、流石にこの歓声は嫌だな。特に最期のは、ね?僕は静かな空間が好きだ。だからこそ、教室で1人優雅な時間を過ごすのだが今回は2人に強請られてしまったため仕方なく妥協したけど…しない方が良かったな。
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