夏影の帳。

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「じゃあ、お姉さんの家はあっちだから行くね。そうだ、私は逢花(あいか) あなたの名前は?」 「僕は想太(そうた)お姉さんありがとう。またね!」 別れ際手を振るお姉さんに感謝をつたえ帰ろうと踵を返す、しかし1度立ちどまり 「あ、あのさ、お姉さんあの花が咲くまであそこに毎日いるの?」 少し照れを隠しきれずぶっきらぼうに聞く 「うん、毎日あそこにいるよ。」 おねえさんは笑顔でそう答える。 「僕も、いってもいい?」 断られるか少し不安になりながら聞く。 それを察したのか優しい表情で 「もちろん、いいわよ。一緒に花の咲く時を見ましょう。じゃあ、明日もまた待ってるわね。」 お姉さんにそう伝えられると嬉しさと恥ずかしさが心を支配する。 照れ隠しに足早に家に帰り その日はゆっくりと眠った。
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