夏影の帳。

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「そしてその女性が来て数週間 わしは山の中で夕方まで虫取りをしておっての。 虫取りが終わり帰ろうと思ったんじゃが、ふと山の奥の方が不思議と明るく感じたのじゃ その光に寄せられ向かって歩いていくと開けた丘のような場所に出たんじゃ。 その時見た不思議な光景は今でも忘れぬ。」 ふと視線を落とし老人が先程水をあげた蕾を見つめる。 「その蕾と同じ蕾が丘の上にひとつ。そしてその蕾が光を放っておった。 そしてその傍に女性がいたんじゃ」
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