12-これから

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12-これから

「行ってきま~す!」 我ながら現金だとは思うが、昨日の自分とは違う。 荒北さんとお母さんのお陰で、心が軽くなり、痛みが和らいだ。 暗闇から光の中へ飛び出した気分だ。 昨日のことは、LINEで荒北さんに報告したら、話せて良かったねって。荒北さんも私に会えて、話せて良かった。ありがとう!と。 そして、荒北さんが倒れたのは、彼女さんが、お父さんが、前を向かせるために私達を会わせたんじゃないか!とお互いに考えた事があると、盛り上がった。 本当にそんな気がしている。 荒北さんへの淡い恋心は、今でも残っているけれど、それ以上に深いところ、魂?みたいなもので繋がっているような感じがする。 暫く連絡を取っていなくても、何気ない事も、大事な事も報告できる関係というか。 私の気持ちも知らない荒北さんは、彼女ができたら連絡して来るかもしれない。 荒北さんにとって、今は妹のような存在の私だけど、二年後大人びた私に会ったら、惚れちゃうなんて事も無いこともないと信じたい。 この先私達の関係がどうなるかわからないけれど、荒北さんが倒れて追いかけたあの日の事は絶対に忘れることはない。 「みんな、おはよ~」 「おっ、さてはいい事あったな~」 こんな挨拶一つで、いつもと違う空気を察知した夢乃が突っ込みを入れてくる。 「実はね…」 「キャー!」 今日もまた、このメンバーでたわいもない話ができる毎日を大事にしていきたい。
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