1. 現世の私 (続き)

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そしてまた、懲りることなくそのガラス片を手に取った。先程とは違い血で(ぬめ)りを感じる。それをそのまま、左手首に突き立てた。 突き立てたそこから血が滲んでいく。 死んで、しまいたい。 楽になりたい。 あの日生かされた意味を、私はもう探せない。 もう、苦しいんだ。 これが例え私の罪になろうとも。 今を、逃げ出したいんだ。 「いっ……!っ……」 突き立てたそれを思いっ切り引き裂いてしまえば、痛みとともに心の何処かがスッキリと軽くなった気がした。 右手からガラス片が落ちる。それと同時に力が抜けたように座り込んでしまった。 流れ出る血液をただただ、じっと見つめる。 自分の汚れきった部分が洗い流されていくように感じた。 それでもやっぱり何処か虚しくて。 また、自然と笑みが溢れた。 頭が、ぼーっとする。痛みも最早なかった。 そのまま私は地面へ寝転ぶ。見上げる星空が徐々にぼやけて、霞んで。 そして、瞼を閉じた。
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