1. 現世の私 (続き)

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『今日は、えまもいっしょにごはん作るー!!』 『あら、じゃあパパとっても喜ぶわね』 ……お母さん。 『パパー!みてみてー!今日はね、えまがこれ作ったんだよ!』 『おぉ!美味しそうだ。瑛茉、ありがとう』 ……お父さん。 私の、大切な人。 『えま!おままごとしよ!』 『うん!いいよっ。じゃあ、えまお母さん役やる!』 『えー!!れいらがお母さん役やるの!えまはれいらの子どもなのっ』 『えー、じゃああとで交代しようねっ』 『うん!そうしよっ』 ……玲莱。この時は、楽しかった。玲莱のこと、大好きだった。 『……おかあさん……?おとう、さん……?』 あ、嫌だ。 『……ねぇ、どうしたの……?おきて……っ』 やめて。 血生臭さがいやに現実(リアル)で。ベットリとした感触がとてつもなく怖くて。 何よりも、私を庇うように覆い被さった父と母の瞼が閉じられていて。ピクリとも動かない二人が、いつものように大丈夫だと答えてくれない二人が、とても怖くて。 一番、思い出したくない瞬間。 ……会いたいよ。二人に。大切で大好きな私の両親。私の生命(いのち)を守ろうとした二人の意思を、私は裏切ってしまったのだろうか。 私は、最低だな。
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