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暴力が悪だ、ということは知っている。理解もしている。
けれど、それだけで相手を嫌いになったり、憎んだりすることは出来ない。
殴られたり、罵声を浴びせられたりすることが、哀しくないわけではなかった。辛くて、腹が立って、時には殴り返したり、大声で怒鳴り返したりもした。
それでも、最後はいつも許してしまう。
バカな考えだと、みんな笑うだろうけど。
あいつはいつも殴りながら、罵倒しながら、「ゆるして」「愛して」って叫んでいるようにみえた。
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