結婚式の朝

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透明な袋に入った手紙、左下にポストカプセル郵便局2001と書かれてる。 消印を見ると、昭和60年科学万博、21世紀のあなたに届ける夢の郵便局。 宛名が私の名前、早川美沙と書かれてる。どう見ても母の字だ。 対座する父の目前に、朝刊と並んで同じ封筒が置かれていた。 宛名を見ると、母の字で父の名前が書かれてる。 「美沙、覚えてるか。母さんが万博の会場で疲れて休んでた場所」 「うん、なんとなく・・・・・・」 「すぐ横に企画ブースがあって、手紙を渡されてたんだ」 「あの時・・・・・・」 「お前には言わなかったけど、静かに一人で書きたいから美沙を頼むって」 「その後、お父さんと一緒にパビリオンを見て回ったんだっけ」 「すぐ横にあった、ロケット型のポストに入れてたんだな」 「私とお父さんが帰ってくる前に・・・・・・」 16年前に書かれた母からの手紙を、父と二人で見つめていた・・・・・・
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