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私は階段を下りて食卓テーブルへ向かう。
椅子に座り、無言で顔を俯かせてる。
その時、目の前に温められたオムライスが置かれた。
食べ残したケチャップライスの上に、フワフワの玉子焼。
母が作り直してくれたのだった。
スプーンを手に取り無言で頬張る。
綺麗に食べ終わった後、食器を洗う母に向け私は重い口を開いた。
「お母さん、ごめんね・・・・・・」
背を向けたまま洗い物をする母が話しかけてくる。
「星丸くんを迎えにきたUFO、太平洋に墜落したんだって」
呆気にとられる私に向かって、母は話し続ける。
「近所の奥さんから電話があって、言ってたのよ。暫く茨城にいるみたい」
照れ隠しを込めた笑えないジョークは、母のいつもの態度だった。
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