次の世界へ

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 光輝に人間の感情が人としての心が、無くなっていた、孤独に生きる自分が惨めに観えていた。必然の如く、真っ暗な空間の向こうに在るという、 光の世界へ行きたいと思った。  光輝には唯一、暗闇の世界から光の世界へ、苦しい現実の空間から楽しい 虚構の空間へ、喜びとトキめきが、怒りと悲しみの感情が湧き上がる空間が在った。  光輝が人間としての感情が心が芽生えるのは、その時間と空間だけだった。  大好きだった銀幕の世界から、10本の映画を撰び出した。その中の5本の 映画を、もう一度映画館で観て、哀愁や感動や愛情の光を浴びたら、胸に焼き付けたら …… 其のビジュアルを土産に、その光を(たずさ)えて、果てしなく続く 暗闇の空間を越えて、光の世界へ行こうと決心した。
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